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ディズニーランド体験を通じて考えた、子どもの学びと大人の関わり方

親戚の子どもたちとディズニーランドへ行った体験をきっかけに、子どもの学び方や大人の関わり方、自分自身の学習スタイルについて整理しました。最終的には「子どもにとっては大成功だった」と気づいた思考ログです。

#ディズニー #勉強・教育

はじめに

先日、親戚の子どもたちと一緒にディズニーランドへ行ってきました。
夢の国での一日はとても楽しく、子どもたちも大はしゃぎでしたが、振り返ると「もやもや」も残りました。

  • 子どもたちは事前に何も調べていなかった
  • 大人である自分たちは効率を重視しすぎていたかもしれない
  • パンフレットがなくなり、帰宅後に振り返る余地が減っている

これらをきっかけに、子どもの学び方や大人の関わり方、自分自身の学習スタイルについて考えを整理してみました。私はエンジニアであり教育の専門家ではないので、ここでの考察はあくまで「シミュレーションとして考えてみた」ものです。


考察プロセス

子どもはなぜ下調べをしないのか

私は子どもの頃、テレビやパソコンで情報を集めるのが大好きで、事前に調べて計画を立てることにワクワクしていました。だから、子どもたちが「何も知らずに来た」ことに違和感を覚えました。

ただ発達心理学的に考えれば、低学年や幼稚園児が「未来を想像して計画を立てる」のはまだ難しい段階です。
むしろ「知らないまま飛び込む」ことで得られる驚きや感動こそが初回体験の醍醐味だったのかもしれません。


大人が効率を重視しすぎた問題

「まずはイッツ・ア・スモールワールド」といった定番ルートを選んだのは、大人の安心感や効率性を優先した結果でした。安全面や体力面では間違っていないものの、子どもたちが「自分で選んだ」という感覚は薄れていたかもしれません。

後半でビッグサンダーマウンテンに乗ったとき、子どもたちが一番楽しそうにしていたのは象徴的でした。「自分で挑戦して発見した体験」こそ強く心に残るのだと思います。


パンフレット廃止と学びの損失

近年ディズニーランドはペーパーレス化し、紙のパンフレットが廃止されました。大人にとってはアプリの方が便利ですが、子どもにとっては「帰宅後にマップを広げて振り返る時間」が失われてしまったように思います。

  • パンフレット:体験を俯瞰して整理するツール
  • おもちゃのお土産:感情的な体験を呼び起こすトリガー

両方が揃ってこそ、体験は学びとして深く定着します。おもちゃだけでは全体像を俯瞰できないため、大人が「地図にシールを貼る」「写真をアルバムにまとめる」といった工夫で補う必要があると感じました。

同時に、これはディズニー側にも期待したいポイントです。パンフレットを完全に廃止するのではなく、子どもたちが体験を俯瞰して見直せるような代替物(子ども向けマップや持ち帰り用の簡易アルバムなど)があれば、体験の価値はさらに高まるのではないでしょうか。


個人としての気づき

振り返ると、私は子どもの頃から「感情的に楽しむこと」よりも「全体像や仕組みを理解すること」に惹かれてきました。これは現在エンジニアとしての適性につながっています。

  • 抽象化・構造化を楽しめる
  • 調べて整理することが好き
  • 感情に引きずられず合理的に判断できる

一方で、「感情的な没入」を軽視する傾向があるため、ユーザー体験や感情価値を取りこぼす可能性もあります。

また、ここで自己反省もあります。自分の子ども時代を基準に子どもたちを判断してしまったという点です。私は「調べるのが楽しい子」でしたが、それはあくまで個人の特徴や環境の影響によるもの。子どもにはいろいろなタイプがあり、自分自身の子ども時代の記憶も曖昧なものです。それを基準に「どうして調べていないのか」と違和感を覚えるのは、大人の思い込みでもあったと感じました。

妻は逆に「体験型」で、まずやってみて楽しむタイプです。この違いはむしろ補完的で、

  • 妻:子どもの感情やワクワクを引き出す
  • 私:体験を整理して残す

という役割分担が自然にできるのだと思います。


まとめ

  • 子どもたちが下調べをしなかったのは自然であり、初回体験の純粋さにつながっていた。
  • 大人が効率を重視しすぎると「子どもの主体的な学び」を奪う可能性がある。
  • パンフレット廃止で「俯瞰的な振り返り」が弱まり、おもちゃだけでは補えない。
  • ディズニーランドには、パンフレットに代わる「子どもが自分の体験を見直せるきっかけ」をぜひ提供してほしい。
  • 自分は抽象型の学びを好み、エンジニア適性につながっているが、感情的な体験を軽視しやすい。
  • 自分の子ども時代を基準に他人を測るのは危うい。多様性を観察しながら関わることが大切だと反省した。
  • 妻とのスタイルの違いは補完的で、子どもにとって理想的なバランスをつくれる。

おわりに

こうして振り返ると、教育的な意味や自分の学習スタイルとの違いにいろいろ気づきがありました。
しかし実際のところ――子どもたちはめちゃめちゃ楽しんでいました。

帰ってからも「また行きたい!」と何度も言っていて、とても良い思い出になったようです。
そう考えると、今回のディズニー体験は大成功でした。難しく考えすぎていたのは僕だけなのだと思います(笑)。

りょう

いろいろなことを考えるエンジニア